読書の森〜ビジネス、自己啓発、文学、哲学、心理学などに関する本の紹介・感想など

数年前、ベストセラー「嫌われる勇気」に出会い、読書の素晴らしさに目覚めました。ビジネス、自己啓発、文学、哲学など、様々なジャンルの本の紹介・感想などを綴っていきます。マイペースで更新していきます。皆さんの本との出会いの一助になれば幸いです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

脳には妙なクセがある (池谷裕二著)の内容・感想など

脳には妙なクセがある(池谷裕二著)の内容・感想など 今回ご紹介するのは、脳科学者の池谷裕二さん著、「脳には妙なクセがある」です。一般向けに非常に分かりやすく書かれているのですが、脳科学の最新の研究、知見が盛り込まれており、内容は専門的です。…

「1984」(ジョージ・オーウェル)の内容、感想など

「1984」 ジョージ・オーウェル 「ビッグブラザーがお前を見ている」 1949年に刊行されたイギリスのジョージオーウェル執筆のディストピア小説。全体主義国家によって統治された近未来の恐怖を描いています。出版当初から冷戦下の英米において爆発的…

「資本主義から市民主義へ」(ちくま学芸文庫)の内容など

今回ご紹介するのは、経済学者の岩井克人さんと、評論家の三浦雅士さんとの対話形式で綴られる、「資本主義から市民主義へ」(ちくま学芸文庫)です。 人間社会を形成する「貨幣、法、言語」について興味深い議論が展開されています。特に、岩井さんの「貨幣…

日本列島100万年史(講談社ブルーバックス)の内容・感想など

皆さんは、日本列島の歴史についてご存じでしょうか。 日本列島の複雑な地形には、驚くべき地形変動の歴史が刻まれています。 講談社ブルーバックスから出ている、「日本列島100万年史」では、日本列島の形成の歴史から、各地方の地形の形成史まで、地学…

「華氏451度」(レイ・ブラッドベリ)の要約・内容など

「華氏451度」(レイ・ブラッドベリ著) 今回はレイ・ブラッドベリの華氏451度を紹介したいと思います。ジョージ・オーウェルの「1984年」と並び、ディストピアを描いた小説として有名です。華氏451度では、「本が焼かれるディストピア」が描か…

「人を動かす」の要約・内容など(D.カーネギー著)

「人を動かす」(D.カーネギー) 今回は、人間関係の古典というべき、D.カーネギーの「人を動かす」を紹介します。 D.カーネギーはミズーリ州の農家の生まれでアメリカにおける成人教育、人間関係研究の先駆者です。ヨーロッパ各地に出張して講演会を開き…

アドラー心理学入門(ベスト新書)岸見一郎 の内容・要約など

アドラー心理学入門(岸見一郎著) フロイト、ユングと並び、世界三大学者の一人に数えられるアドラーは「嫌われる勇気」のベストセラーにより、一躍有名となりました。 その「嫌われる勇気」の著者の岸見一郎さんがアドラー心理学の入門書として書かれたの…

斜陽(太宰治)の内容・感想など

斜陽(太宰治) 斜陽は太宰治の作品の中でも有名で、大ヒットとなった作品です。 衰退していくものたちを指す、「斜陽族」という言葉が生まれたのもこの小説による影響です。 小説のテーマは「貴族の没落」です。明治時代は急速な西洋化により、人々の生活様…

脳にいいことだけをやりなさい(マーシー・シャイモフ 茂木健一郎訳)知的生き方文庫

脳にいいことだけをやりなさい(マーシー・シャイモフ 茂木健一郎訳) 何気なく手にとってみた一冊ですが、とても良い本だったので、おすすめしたいと思います。タイトルからすると、脳科学の本かなと思ってしまうと思いますが、どちらかと言えば、ポジティ…

ツァラトゥストラはこう言った(岩波文庫(下))ニーチェ の内容・考察

ーよろこびはすべての事物の永遠を欲してやまぬ。 深い深い永遠を欲してやまぬ。- ツァラトゥストラ上巻は「超人」がメインテーマでしたが、第三部、第四部の下巻では、ツァラトゥストラの口から永遠回帰の思想が語られます。 〇永遠回帰 永遠回帰とは、人…

ツァラトゥストラはこう言った(上)(岩波文庫)の内容・考察

ツァラトゥストラはこう言った(上)ー フリードリヒ・ニーチェ「岩波文庫」 20世紀の哲学を語る上でニーチェは欠かせない存在です。「ツァラトゥストラはこう言った」はニーチェが晩年に書いた作品で、「超人思想」や「永遠回帰」といった、ニーチェの思想…

人工知能と経済の未来(文藝春秋)(井上智洋著)

人工知能と経済の未来 井上智洋著 ~2030年雇用大崩壊〜 〇どんな本?本書はAIの発達とこれからの雇用・経済について書かれた本です。本書では、AI(Aeticicial Intelligence)発達に関するこれまでの歴史を踏まえ、これからのAIの発展が経済・雇用に与える…

「鼻」(芥川龍之介)のあらすじなど

芥川龍之介の「鼻」は芥川作品の中でも有名な作品です。ユーモラスな物語の中に人間の醜悪な部分が描かれた芥川らしい作品だと思います。あらすじなどを紹介していきます。 〇 「鼻」について 芥川龍之介は「今昔物語集」をベースに書いた作品を多く残してお…

寝ながら学べる構造主義 内田樹(文春新書)

寝ながら学べる構造主義 内田樹 (文春新書) 本書は、「構造主義」の入門書です。タイトルの通り「寝ながら学べる」ほど易しいとは思えないのですが、全体的として平易な言葉で、非常にラディカルな内容が書かれていて非常に刺激的な書です。フーコーやレヴ…

「星の王子さま」のあらすじ、感想など(新潮文庫)サン=テグジュペリ著

星の王子さま(新潮文庫)のあらすじ、感想など 「星の王子さま」は、フランス人の飛行士・小説家のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの代表作で、1943年にアメリカで出版されて以来、200以上の国と地域で翻訳されて読み継がれている物語です。 童話です…

「民主主義とは何か」の内容・要約など②(講談社現代新書)

「民主主義とは何か」宇野重規著者 講談社現代新書 前回の続きです。 私たちは現代の選挙によって代表者を選ぶ「代表制民主主義」を唯一の民主主義であると考えがちです。 しかし、それは唯一無二の民主主義なのでしょうか。何が民主主義的かどうかは歴史を…

「民主主義とは何か」の内容・要約など①(講談社現代新書、宇野重規著)

「民主主義とは何か」(講談社現代新書、宇野重規著) 著者によれば、今や民主主義は危機に瀕しているといいます。どの様な理由で危機に瀕しているのか、また、今後、民主主義に希望はあるのか、そもそも民主主義とは何なのかと言った点を本書では古代ギリシ…

脳に悪い7つの習慣(幻冬社新書)

「脳に悪い7つの習慣」(幻冬社新書)(林成之著)¥740(+税) 書店に行くと、「脳科学」に関する本をたくさん目にする様になりました。脳のパフォーマンスを高める事がビジネスの分野などでもプラスになるということが分かってきたことの証でしょう。 では…

「リア王」ウィリアムシェイクスピア(光文社古典新訳文庫)

「リア王」ウィリアムシェイクスピア(光文社古典新訳文庫) 世界文学史上最高の作家の1人と言われるシェイクスピア。「リア王」は言わずと知れたハムレット、オセロウ、マクベスと並ぶ四大悲劇の一つです。シェイクスピアの文章は何と言ってもエネルギーに…